松本卓臣氏は、会社経営者として、また商工会議所会頭として、福山の地域振興に心血を注いできた経済人で、その功績の大きさから、福山市名誉市民の称号を受贈しています。一方、茶道や謡曲、書といった日本の伝統文化に広く親しみながら、地元の画家や書家を支援し、美術品の収集を熱心に行う、現代日本を代表する数寄者のひとりでもあります。とりわけ、表千家同門会備後支部長としての活動は、福山一帯の茶の湯文化を支えてきたといえるでしょう。当館では、松本氏が収集した数々の作品をご寄贈いただき、松本コレクションとして公開してきました。氏が御年100歳を迎えられたことを祝し、このコレクションを中心に、茶道具の名品約40点を展示します。