単純な形態と明瞭な色彩を特徴とする画風「モリカズ様式」で人々を魅了しつづける画人・熊谷守一(1880-1977)。明治・大正・昭和を貫く97年の生涯と70年を超える画業を全うし、その風貌と人柄から「画壇の仙人」「超俗の画家」と呼ばれています。しかし、この世俗から離れたイメージが独り歩きし、時に作品そのものへの評価と混同されることもありました。そこで本展では、熊谷がどのような人生を歩み、どのように絵と向き合ったのか、その真の像を改めて見つめなおします。画業を辿る上で欠かせない代表作と、近年になって所在が明らかになった逸品を中心に、油彩画・日本画・書の約180点を通して、あるがままの「自分」を貫いた稀代の画人に迫ります。