新型コロナウイルスの感染は、あっという間に世界中を覆い尽くしました。文化も大きな影響を受けている中、gggとして何ができるのかを考えていた時、1冊の本が届きました。その『いきることば つむぐいのち』(芸術新聞社)は、グラフィックデザイナーである永井一正氏が、長い創作活動の中で立ち止まったり、「いきる」という神秘について、日々考えていることを、言葉のエッセンスとしてまとめたものです。また、本には、今年91歳を迎えながらも、みずみずしい感性で、数十年に亘って描き続けている動物をモチーフにした「LIFE」シリーズも収められています。会場では“心に深く語りかける言葉”と“不思議ないきものたち”が交差した世界や、生き物の背後にある命を描いた作品に出会えます。この「いきることば つむぐいのち 永井一正の絵と言葉の世界」の展示を通じて、苦境の中、少しでも元気づけられたり、勇気づけられる機会になればと願っています。