創作絵本『そらのむこうに』は1994年に環境ファンタジー絵本として発表されました。
空から雲の子が現れ、少年と ひゅーん と空を飛んで遊ぶほのぼのとしたお話は、実はオゾン層破壊をテーマに描いており、自然や地球のことを優しく教えてくれます。
オゾンホールの大きさは1980年代から1990年代前半にかけて大きくなったと言われています。出版当時、オゾン層を保護するための活動が社会で活発になり、私達の身近なものとしてはフロン排出抑制が提唱されました。我々が住む“地球”という惑星を守るため、自分たちだけでなく、次の世代を担う子供たち、更には、地球上に生きる全ての生き物に対して思いやりを持つことが、地球そのものを守ることに繋がる、という葉祥明の考えから『そらのむこうに』が誕生します。地球を舞台に地上から空、宇宙に、より大きな視点へと展開し、様々な構図で画面いっぱいに広がる空と、そのむこうを表現しています。
自然保護を訴える活動は世界中で今も続いています。葉祥明が26年も前に描いた絵本は具体的な活動を提示している訳ではありませんが、その「心」を表現した作品と言えます。
壮大なテーマを背景に、空を旅する冒険物語としても楽しむ事が出来る本作を、ご覧下さい。