1911年、京都市に生まれた堀内正和(1911-2001)は日本の抽象彫刻を代表する作家の一人です。堀内は東京高等工芸学校在学時、第16回二科展に最年少で入選したことを機に早くから抽象彫刻を志し、明快な幾何学的形態とたくまざるユーモア、合理的精神と機知と諧謔にあふれた独特の作風によって高い評価を受けました。その一方、堀内は教師としても優れ、1950年以来、京都市立芸術大学で多くの若い作家たちを育て、また軽妙なエッセイストとしても知られています。作家没後初めての回顧展となる本展では初期の具象彫刻から晩年の立体作品にいたる約80点の作品、さらに作品の源泉ともいえる多くのペーパー・スカルプチュア(紙模型)やデッサンを展示して、その創造の全貌を明らかにします。