音楽家の小杉武久は、1960年代から即興演奏やイヴェントのパフォーマーとして、また70年代以降はアメリカのマース・カニングハム舞踊団の作曲家/演奏家として知られています。
今回、空気の振動である音の波を独自の方法で捉えるインスタレーションの個展「WIND」に合わせて、小杉自身が作品の演奏と解説を行うレクチャー&パフォーマンスを開催します。
小杉のパフォーマンス作品には、常に即興の要素が深く関わってきました。この特徴は、50年代末、五線譜で書かれた楽器用の最初期の作品から始まっています。60年代以降は、エレクトリック・ヴァイオリンや声による作品、歩く・紙をはさみで切る・紙を丸めるなど日常的な行為を使った作品、電波や振動を利用した作品などが創られてきました。今回は60年代以降の作品から、タイプの異なる作品を選んで演奏する予定です。
身のまわりにあふれるものから音を引き出し、味わうという小杉武久の姿勢を、ぜひ知っていただきたいと思います。