菅原白龍(すがわらはくりゅう)は、1833(天保4)年、出羽(現山形県長井市)出身家で、幕末・明治に活躍した南画家です。代々地元の諏訪神社に使える修験の家に生まれました。子どものころから独学で画に親しみ、長沼月峰、熊坂適山などに学び、山水画を能くしました。中国の伝統を重んじる南宗画を学び、そこから日本独自の南画の確立を目指すとともに、西洋画の空間構成を取り込むことにも挑戦した、特異な画家といえます。後年は東京に居を移し、1898(明治31)年、65歳で没しました。
このたび当館が所蔵する白龍作品のうち、六曲一双屏風を含むほぼ全点(24点)及び、白龍が画を学ぶなか東京で訪れた奥原清湖、越後周遊時に知遇を得た富取芳斎の作品も参考展示しています。
水墨による清々しい山水、故郷羽前の雪景色など、白龍が追い求めた南画の姿を垣間見ていただければ幸いです。