奔放な筆さばきと壮麗な色彩で知られる梅原龍三郎と、繊細優美な「乳白色の裸婦」を描いた藤田嗣治。一見正反対の性質を持つこの二人、実はいくつもの共通点が隠れています。日本で洋画教育を受けた二人は20世紀初頭に渡仏し、そこで梅原はルノワールやルオー、藤田はエコール・ド・パリの画家たちと出会います。その後梅原は岩絵具を、藤田は日本の筆と墨を油彩画に取り入れる技法を確立しますが、それは逆説的ながら、フランスにおけるさまざまな体験が誘引したものと言われています。
本展では、梅原と藤田の作品及び、彼らが傾倒した画家や影響を及ぼしあった画家たちの作品を展示。フランスに渡った二人の画家の軌跡をご覧いただければ幸いです。