小樽出身の中村善策は日本を代表する風景画家の1人です。「中村善策記念ホール」は美術館の開館当初から熱望され、開館から9年後の1988年に開設しました。今年で開設32周年となり、どこか懐かしい風景は今も尚多くの市民に愛されています。
善策は、「写生に出かける喜びは、何十年経っても同じこと、ちっともそれに変わりありません。いつもいつも初心の喜びを味わっています。」と語るほど、屋外で制作することを愛し、晩年になっても全国各地に写生旅行に出かけていました。
そんな写生の魅力を多くの人に伝えるため、善策は多くの技法書を執筆しています。美術雑誌『アトリエ』では、頻繁に風景画や油絵の特集を担当し、全国のまだ見ぬ後進たちが筆を握ることを後押しました。基本的な道具の使い方から全国各地の写生地の旅行記まで、制作の楽しみを魅力的に伝えた解説は読者に大変好評で、今でも全国に彼を「先生」と呼ぶ生徒たちがたくさんいます。
善策が描いたスケッチと風景画とともに、彼が未来の風景画家たち~~あなたに向けたメッセージを感じ取ってみましょう。