水彩画家・白江正夫は、多くの教え子、作品愛好者に惜しまれながら、2014年87歳で世を去りました。白江が亡くなり早6年が経ち、あらためて道画壇において、その存在の大きさを思い知らされています。
このたび白江正夫先生のご遺志を発端として、当館の外壁改装工事が実現しました。自らの代表作の多くを収蔵する当館の老朽化を憂いて、美観を整えるための資金を遺されていたのです。
白江正夫は、小樽を拠点に活躍し、この街の行く末を見守りながら描き続けました。小樽風景は好みの題材でしたが、「私をあれこれひきずり廻す」ものでもありました。本展は、道内水彩画界をリードし、小樽画壇を牽引した白江正夫の業績を、あらためて偲び、展覧するものです。彼のメッセージを、作品から感じとっていただければ幸いです。