アーティストたちは、独自の世界を開示するその作品を通じて私たちに感動と共感を与えてくれます。一つの「作品」を創造するっということは、世界を見つめ、世界と自己とのかかわりをはかりながら、ストイックなまでに自己を追求しつづけていく行為とも言えるでしょう。常に自分の内面と対峙し、芸術への創造意欲にかきたてられながら制作に没入するアーティストたちにも、はりつめた緊張から開放されるひとときがあり、そこには家族との生活があるのです。
そんなアーティストたちが、自分の家族のために、あるいは子供たちのために制作した「贈りもの」がのこされています。それらは、彼らの芸術創造活動と決してかけ離れたものではなく、むしろ作品のアイデアの源泉や、アーティストたちの素顔をのぞき見ることができる、いわゆる「イメージの原石」ともいえるものなのです。これらの「贈りもの」に、私たちは、アーティストたちのあたたかな眼差しと豊かな想像力、そして新たな側面を発見するでしょう。
この展覧会では、これまで知られざる「作家たちの贈りもの」と、彼らの代表的な美術表現とをあわせて展示し、人間的な実像とスケールで、アーティストたちを紹介します。