竹久夢二のふるさと岡山の邑久(おく)(瀬戸内市)にある「夢二生家記念館・少年山荘」は、生誕百三五年を記念して二〇一九年三月に、岡山市中区の本館とともに周遊し滞在を楽しむ美術館としてリニューアルいたしました。夢二が生まれ十六歳までを過ごした築約二五〇年の茅葺屋根の生家で夢二のこども時代の部屋を公開しています。蔵を改装した展示室では夢二のふるさとをテーマに、季節に合わせて夢二の肉筆作品を展示。夢二自ら設計したアトリエ兼住居を復元した少年山荘では人生、デザイン、音楽をテーマに、セノオ楽譜をその音楽とともに鑑賞でき、また「婦人グラフ」などデザイナーとしての夢二の作品や、夢二の人となりを写真や遺品を通してご紹介しています。
企画展「夢二生家の秋」では日常の女性の何気ない仕草の中に女性の静謐な美しさを描いた《新月》(表紙)を特別展示するなど、当館所蔵の選りすぐりの作品をゆっくりとご覧いただけます。夢二のふるさとで夢二芸術の原点をご体感ください。