一面に広がる菜の花畑の黄色。海に沈む夕日の赤。湖水の深い青。木々の香り豊かな森の緑。音もなく降り積もる雪の白。彩り豊かな自然の造形と四季折々の変化は、私たちの心に美しい色彩を残してくれます。また一方で、生活と結びついたさまざまな色彩も常にそこにあります。記憶のなかの原風景、そこに潜む色彩。私たちの記憶の海を漂う無数の彩り。喜びの色、そして悲しみの色。色彩はさまざまな感情やイメージを私たちに与えてくれます。
本展では、絵画や版画、そして彫刻の色彩表現について、一つ一つの色彩がもつイメージや、それらを組み合わせたときの変化を感じとっていただくとともに、心のなかにある色彩を表現してみる体験コーナーも設けて、幸せな色、あこがれの色、そして今の気持を表した色など、色彩で語るイメージの同じところや違うところ、まさに十人十色の感じ方を楽しんでいただきます。