佐藤助雄(1919-1987)は山形市長町の出身です。仏像制作を営む家に生まれ、父の仕事を手伝いながら木彫に親しみました。1936年上京し、後藤良(なおし)の内弟子となり、木彫を学びます。1939年日本美術協会展に《ことり》を出品、銅賞を受賞しました。そして木彫家として高い評価を得た後、1954年頃から北村西望、富永直樹に師事し、さらなる研鑽をはかりました。1955年、56年と連続して木彫で日展特選を受賞後、塑像作品を発表するようになります。1976年、日展文部大臣賞、1980年には前年度に制作した《振向く》で日本芸術院賞を受賞します。また、最初に師事した後藤が得意とした能彫の制作も積極的に行い、最晩年まで木彫も制作しました。
佐藤の作品は人の動作の一瞬を切り取り、その伸びやかな所作と所作が作り出す詩的な印象が、高い評価を得ました。また、作品の表情は穏やかで優しさにあふれていて、見る人々の心をひきつけました。
本展覧会では昨年生誕100年を迎えた佐藤助雄の作品を公開することにより、佐藤の彫刻史を振り返ります。あわせて助雄の長男良助(1947-日本画家)の作品も特別出品します。