明治以降、横山大観、菱田春草、下村観山らは、日本美術の新たな道を求めた岡倉天心が結成した日本美術院で研鑽を積みつつ、日本画の革新に取り組みました。師の没後、大観がその遺志を継いで、対外的な活動を休止していた美術院を大正3年に再興しました。
大観のパトロンでもあった大倉喜七郎の全面支援を受けて、昭和5(1930)年にローマで開催された「日本美術展覧会」は、団長を務めた大観を筆頭とする院展(再興日本美術院)系の画家のみならず、川合玉堂、竹内栖鳳ら官展系の画家たちも含む総勢80名が参加した、当時の日本画壇における一大プロジェクトでした。
本展では、ローマ展開催90年を記念して、大観、春草ら日本の近代を彩った画家たちの作品を、同展出品作を中心に展観いたします。