1970年に日本で5番目の近代美術館として設置された和歌山県立近代美術館は、日本有数の充実した近現代版画のコレクションで知られています。また、福島県立美術館は、1984年の開館にあたり、戦後を代表する版画家・斎藤清からその主要作品の寄贈を受け、美術館活動が始まりました。本展覧会はこの2館のコレクションを中心に、これまで日本の美術の歴史を語るうえであまり光が当てられることのなかった版画を文脈として、地方から見えるもうひとつの近現代日本美術史を編み直そうとする試みです。地方の美術館が研究・収集活動を続けてきた、明治から平成にかけての版画の名作約300点により、日本の近現代を振り返ります。