日本を代表するテキスタイル・プランナー 新井淳一(1932-2017)は、群馬県桐生市に機屋の長男として生まれました。織物業に従事するなか、早くから未だ見ぬ布を追い求めます。新井の「布」は、先端的な繊維技術と職人の知恵や手の技、さらに化学知識との融合によって生み出されます。1970年代から、三宅一生、川久保玲、山本寛斎らファッション・デザイナーとのコラボレーションを実現させ、以後さまざまなプロジェクトとかかわり、テキスタイルのプランニング(織物の企画)、素材メーカーとの連携、後進の教育等、国際的に多彩な活躍を続けました。
2018年、大川美術館では、世界的な評価を得た1980年代以降の122点の布を収蔵しました。これは、新井の長年の友人・わたなべひろこ氏(多摩美術大学名誉教授)からのご寄付により実現したものです。本展は、これを記念し代表的な作品を厳選して紹介します。桐生において新井淳一の仕事の全貌が初めて概観される機会となります。