駒形克己(1953-)は『Little Eyes』『Little Tree』などの絵本で知られる造本作家/デザイナーです。永井一正のもと、日本デザインセンターで初期のキャリアを積んだ後、アメリカへ渡った駒形は、ニューヨークのCBS本社やシェクターグループで、グラフィックデザイナーとして活躍しました。1983年に帰国してからは、オフコースや安全地帯などのレコードジャケットのほか、コムデギャルソンといったファッションブランドの招待状などのデザインを手がけています。また1989年に生まれた長女の成長と向き合うことからスタートした駒形の絵本づくりは、シンプルな素材で豊かなコミュニケーションの可能性を探るもので、国内外で注目を集めています。そして1990年代後半以降は、絵本に加え、ワークショップの活動にも力を注いでいます。
本展では、アメリカ時代の実験的な試作から、音楽、ファッションでの仕事、絵本の制作プロセスを伝えるアイデアスケッチまで、駒形の初期から現在までの足跡を約300点の作品でたどります。「小さなこと」を大切にしてきた駒形。手に収まる小さなサイズ、少数の人々とささやくような関係性から生まれた作品の数々をお楽しみください。