熊本出身・在住のイラストレーター、コーダ・ヨーコの個展を開催します。
本展では、熊本市動植物園のどうぶつ案内板(解説パネル)のために描き下ろしたイラストの原画96点と、その新作9点の展示とあわせ、市民参加型壁画プロジェクト「コーダ・ヨーコ 水とあそぶどうぶつたち」への「募集:どうぶつたちを描く」(定員150名)に応募いただいた熊本の子ども達・若者達が描いた動物の絵を大公開いたします。
2020年5月15日より開始されたこの公募に際し、コーダは動物を描く時の3つのポイントとして、「描くどうぶつをよく観察する(知る)」「どうぶつの特徴や個性を感じ取る(感じる)」「そのどうぶつに愛着をもって描く(上手に描こうとせず、楽しんで描こう)」*と示しました。このアドバイスには、コーダ自身もどうぶつ案内板の原画制作時に体験したであろう、新たに得た知識を描画に活かす創造的な喜びが、コロナ禍における参加者達の不安を、一時でも払拭することを踊う気持ちが込められています。コーダの思いやりの心は、参加者一人一人に確実に届きました。彼らの「不安の時間」が「創造の時間」へと転じたその証を会場で実感していただけますと幸いです。
コーダが2016年の熊本地震を通じて深めた熊本市動植物園との関りから派生し、2020年のコロナ禍のもと市民とともにつくりあげた、未来への希望を感じる展覧会です。
*2020年5月20日付で放送された熊本朝日放送の番組「くまパワ」での特集「水とあそぶどうぶつたち」制作にあたり、コーダが番組担当者と冨澤宛にに発信したメールより引用。熊本市現代美術館学芸事業班主査・学芸員 冨澤治子