繊細で美麗な意匠
日本・中国・朝鮮半島・東南アジアからインドあたりにかけて産出される
漆の樹液を塗布した器物は、防湿性・防腐性に優れ、
しかも酸やアルカリにも強い耐久性があり、さらに美しい光沢をもっています。
また接着力も強く、東洋では古代から
さまざまな工芸品や建造物などに用いられてきました。
世界的コレクションとして知られる徳川美術館の唐物漆器を中心に、
器体に金や銀の粉を蒔き付けて繊細で美麗な意匠を凝らした蒔絵、
さらに朝鮮、琉球などの諸作品を通じて、
現在のわれわれの生活の中で使用する機会が少なくなっている
漆工芸の美しさと魅力をたどります。