大倉コレクションには数々の名品に埋もれて興味深い作品が静かに再評価を待っています。本展では日本絵画について、その発掘をしてみました。一見珍品や希少な作品に見えるものを、改めて現代の価値観で見直すとなかなか面白い作品が浮上します。
「扇面散らし屏風」の片隻の絵師は、今はやりのゆるキャラを得意とし、その表現は魅力的です。「寒山拾得図」の怪異な表現は、劇画を好む人々に愛されるでしょう。「遊楽人物図屏風」では彦根屏風の新たな展開がみられます。「虫太平記絵巻」には素直に擬人化された虫たちの好演がみられます。
その他、宗教的な背景を持つ素朴な表現の作品や、古典に典拠した気品に満ちた作品など、従来の当館のイメージを覆す作品に出会えることでしょう。