諏訪市美術館は、1956(昭和31)年5月3日に、信州で最初の公立美術館として開館しました。
そのはじまりは、1947(昭和22)年、地元芸術家や文化人、戦中戦後に信州に疎開をしていた著名芸術家らが一緒になって、片倉館付属施設の「懐古館」(現在の諏訪市美術館の建物)を借り受け、「諏訪美術館」を開館したことによります。
その後、財団法人片倉館により、懐古館が諏訪市に寄贈され、当初は公民館として使用されながら、1956(昭和31)年、諏訪市常設美術館としてその歴史を紡ぎ始めました。
開館後も、地元芸術家がその運営に携わっていましたが、特に心血を注いだのが展示作品の収集で、地元作家の東奔西走の尽力により、現在の諏訪市美術館コレクションの元が築かれています。
本展では、諏訪市美術館コレクションを軸に、開館のいきさつを紹介しながら、開館当初、作品収集に走った作家と、そこで集められた作品を紹介します。
地元作家の熱意がなくては開館することの出来なかった諏訪市美術館。その情熱の結晶である作品の数々を展示し、歴史を振り返ることで、来館された皆さまには、今後の諏訪市美術館の将来像にも思いを巡らすきっかけとしていただければ幸いです。