手吹きガラスの造形作家として人気のイイイノナホ。昨年はポーラ美術館で個展、フラッグショップをオープンするなど注目を浴びています。コロナ渦にあって、作家は自己と対峙し、制作に専念しました。さまざまな「時」がガラスに込められ、素描のように現れた新作の器、シャンデリアなど約25点を展示します。
私がガラスの中に感じていた「時」というキーワードは、過去、現在、未来が混在する無時制の世界だと気がつきました。ガラスは時の花となり時の波となり、無限に重なり合う色の層は記憶となり、ガラスの器という枠を超えて広がっていきます。どこまでも広がるガラスの内なる世界を一緒に楽しんで頂ければ幸いです。
2020年6月 イイノナホ