晩年を三春の地で過ごしたとされる雪村周継。奇想の画家とも称された室町時代後半を代表する画僧は、幅広く独創的な作風で後世の画家たちからも絶大な敬意を集めてきました。郡山市西田町にある雪村庵が地元で大切に守り伝えられてきたことも、この画僧が愛され続けてきた証左と言えるでしょう。三春、郡山の雪村作品や資料から、永きにわたるこの地と雪村の縁を辿ります。
郡山市立美術館所蔵の「四季山水図屏風」は、当館における調査で、紙継に特徴的な側面があることがわかりました。収蔵した作品を調査し、技法や材質を明らかにすることも美術館の大切な役割です。そしてそれは、作品を美しいまま後世に引き継ぐというもう一つの使命にもつながっていきます。
今回は雪村周継、大正から昭和初期に活躍した日本画家渡辺晨畝や郡山ゆかりの作家を紹介するとともに、当館の名品を守るための作品修復や所蔵品の秘密をご覧いただきます。