このたび岡崎市美術博物館では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために中止した「岩合光昭写真展 どうぶつ家族/ねこ科」に代えて、収蔵品を紹介する展覧会を開催します。
美術博物館の名称を持つ当館では、「家康の生きた時代」「東と西の出会い」そして「マインドスケープ」のコンセプトのもと、幅広い資料を収蔵してきました。今回はその中からごく少数を厳選して展示することによって、資料ひとつひとつと向き合い、対話をするようにご鑑賞いただく機会として本展を企画しています。
通常の展覧会では、空間を区切り、時には数百点におよぶ資料を展示しています。しかし、本展では、仕切りを極力減らした広い空間に数点~十数点の資料を配置することにより、思い思いの距離で資料をご覧いただけます。さらに資料点数を絞り込んだことにより、当館の特徴でもある、ほの暗い展示室内に資料が浮かび上がる照明効果がより発揮された空間もお楽しみいただけることと思います。また、本展は2週間ごとに担当学芸員が交代し、資料や展示配置まで全て入れ替えを行います。そのため、会期中に、美術・博物の垣根を超えて様々な資料をお楽しみいただける機会となっています。
なお、当館初の試みとして、資料のそばに作品解説を配置しない予定です。展示室内では資料とより深く向き合っていただき、最後に出口に設置した作品解説をお持ちいただけたらと考えています。
常時は味わうことのできない時間と空間をご用意いたしました。資料との贅沢な対話をお楽しみください。