彫刻家・舟越桂は、厳かな静寂のなかにたたずむ人物像によって、人という存在の重みと深遠さを表現してきました。人のまとう柔らかな空気までも漂わせるその身体と、不可思議な光を宿した瞳は、物質的な次元を超えて、作品に向かい合う私たちに語りかけてくるかのようです。本展では、舟越作品の魅力を「言葉」というキーワードによって再考します。北海道内に所蔵される彫刻作品6点を一堂に集め、作家自身によるエッセイ集に収められたことばやドローイングとともに紹介します。詩的な響きをもつタイトルにも着目し、舟越の作品世界における「かたち」と「言葉」の関係を探ります。