ひとつのMurrinaにひとつのストーリー。「シロツメクサはその昔、緩衝材として詰め物につかわれていた白い花。それはもしかしたらオランダから、ヴェネツィアからガラスを運ぶのに使われていたかもしれません。」こんなお話に惹かれて私のMurrine作りは続いています。
精巧で技巧的な作品ながら、朗らかな物語性があります。また、「ムリーニ」というヴェネツィアンガラスの伝統的な技法ながら、日本の「和」を感じます。江波冨士子さんのガラス作品の魅力は、彼女の制作の姿勢にあると感じています。
何度か工房に伺ってみて、、、江波さんの日常は、ガラス制作ができるという喜びと感謝に捧げられているかのように、清々しいのです。天職なのでしょう。
「特に自分から説明する機会も少なかったパーツのお話が伝わるような展示をしてみたかった」と、今回の展覧会のテーマに至りました。
ほんの5ミリ角の小さなパーツが生まれたお話と、複雑にデザインされ形になる経過を楽しく空想してみて下さい。