田能村竹田(1777-1835)は江戸時代後期を代表する南画家です。
豊後国岡藩(おかはん)の藩医の家に生まれた竹田は、病弱であったため医業は継がず、22歳で学問専攻となり、藩校由学館(ゆうがっかん)の儒員として『豊後国志(ぶんごこくし)』の編纂等に力を注ぎました。この間、唐橋君山(からはしくんざん)や渡辺蓬島(わたなべほうとう)ら、地元の学者や画家の影響を受けて詩画への興味を深め、30歳頃から本格的な作画を開始しました。
37歳で隠居した後は、京都や長崎をはじめ各地を遊歴。沈石田(ちんせきでん)、黄公望(こうこうぼう)、王蒙(おうもう)などの中国画人の画法を研究し、頼山陽(らいさんよう)をはじめ数多くの文人、画人との交友を通して画技を深め、独自の画世界を確立しました。
今展は竹田の代表作とともに、竹田が親しく交友した郷土の南画家たちの作品を紹介します。