この展覧会は、4月25日(土)より開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染予防のため、展示のみとなっています。ビルの正面玄関が開いている時は、ガラス越しで展示を見ることができますが、事務所は不在です。
展覧会の詳しい内容は、QRコードから知ることができます。また、「古代の紫 染色再現実験展」のfacebookでも見られることができます。
なお、この研究発表の展示は、7月末をめどに再展示する予定です。
皆様のご理解をお願いいたします。
感染の収束と皆様のご健康をお祈りしつつ、この古代の紫の再現された布を静かに、展示しています。
紫(ムラサキ)は古代日本でもっとも尊貴な色とされていました。しかし、具体的にどのような作業で染め、その美しい色を造り出したのか、実態は謎に包まれています。平安時代の「延喜式」などから紫根(シコン)を染料として、媒染剤に灰などの材料を使って染色されたことが知られています。ただし、必要な材料の量や灰の種類など詳しいことはわかっていません。
大手前大学で染色教育を担当する今福を中心に、考古学歴史学を専門とする教員が異色のコラボによる研究チームを結成して、この問題に挑戦しました。多くの方々の支援を得て、日本原産の紫根を入手するところから始め、条件をさまざまに変えて、何度も染色実験を試みました。古代日本の紫染めをデータによって再現することをめざしています。試行錯誤を繰り返す過程で、古代の人々は、想像していた以上に大量の材料を使用し、多くの手間をかけ、高度な技術を駆使して染色を行なっていたことが身をもって理解できるようになってきました。
この展示会では、そうした実験の成果と染め上げた深い紫色の作品にふれていただきたいと思います。古代の人々が紫染めにかけた工夫や労力、情熱の一端を感じ取っていただければ幸いです。 古代業染実験チーム一同