タイトル等
Artist in Residence
いのちの裂け目ー布が描き出す近代、青森から
会場
青森公立大学 国際芸術センター青森
会期
2020-04-11~2020-06-21
5月7日(木)予定~6月21日(日)
延期
休催日
会期中無休
開催時間
10:00~18:00
主催者
青森公立大学 国際芸術センター青森
協賛・協力等
協力|青森市教育委員会、AIRS(アーティスト・イン・レジデンス・サポーターズ)、青森公立大学芸術サークル ほか
助成|公益財団法人 花王芸術・科学財団、芸術文化振興基金
後援|台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、NHK青森放送局、青森テレビ、青森放送、青森朝日放送、青森ケーブルテレビ、エフエム青森、東奥日報社、陸奥新報社、デーリー東北新聞社
概要
参加アーティスト:遠藤薫、碓井ゆい、林介文(台湾)
アジアを拠点として手芸や工芸、伝統文化の技術をもとに現代美術の活動をするアーティスト3名が、青森市が所蔵する布にまつわる文化や歴史のリサーチを基に、新作を発表します。

人は産声を上げるときから死ぬまで、布につつまれています。それは物理的にも精神的にも私たちを守るものであり、何者かを示すものでもあります。世界各地でその土地の風土に合わせ、様々な布が作られ使われてきました。布を作るためには動植物を引き裂いて皮を用いたり、繊維を取り出し紡いだり、織ったり、編んだり。まとうためには布を裁って縫い合わせたりと、破壊と再生が繰り返されています。かつてフランスの思想家ジョルジュ・バタイユは、大地の「裂け目」である洞窟のなかで、先史時代に壁画を描くことで人間性が獲得されたこと、労働の有用性を否定することで遊びとしての芸術が誕生したことを語りました(*1)。
本州の最北端であるここ青森には、厳しい冬があるからこそ生まれた、独自の豊かな文化が存在します。布に関わるものでは、裂織や刺し子、ボロなど。それらは農村の暮らしを反映したものであり、制約のなかで色や柄を工夫する手仕事の楽しみでもあり、時にジェンダーなど規範意識との戦いでもあったでしょう。決してこれらについて、簡単にアートだと言いたいわけではありませんが、作ること身につけることの歓びや、ものが多くを語りかけてくることは事実です。
当館で行ってきた「青森市所蔵作品展」の流れを汲む本展では、アジアを拠点として手芸や工芸、伝統文化の技術をもとに現代美術の活動をするアーティスト3名が、青森市教育委員会が所蔵する民俗資料(*2)から発想した新しい作品、文化財を用いたインスタレーションを展観します。どうやら戦前の女子教育や戦争と花火、台湾原住民族と日本の関わりなど、現在と地続きである人々が生きてきた時代について考えることになりそうです。
ものそれ自体から、そしてそれから生まれた表現からも多層的に開いていく裂け目。この傷口を覗き込むことで、国家や民族、家族といった共同体を超えて、それでもひとりでは生きてゆけない私たちが、時をこえてつながる交感の場になればと思っています。

*1 ジョルジュ・バタイユ『ラスコーあるいは芸術の誕生』1955年
*2 青森市歴史民俗展示館 稽古館が収蔵していたものが、現在は市および市教育委員会文化財課に移管されている。展示館は1977年に財団法人稽古館として開館、1998年青森市に移管された歴史民俗系の博物館。田中忠三郎も館長を務めた。2006年に閉館。
イベント情報
■オープニング直前・アーティストトーク
本展覧会参加アーティスト3名が、今回の作品についてお話します。
出演予定:碓井ゆい、遠藤薫、林介文(林氏はSkypeでの出演)
YouTubeでのライブ中継、アーカイブのみ
>>http://www.youtube.com/user/acacaomori
(5/9(土)にはオープニングイベントは開催いたしません)
日時:4月29日(水・祝)14:30-15:30
会場:
対象:どなたでも
参加料等:無料

■キュレータートーク
本展覧会を企画した学芸員と一緒に、ギャラリー内で作品を鑑賞します。(企画:慶野結香(ACAC学芸員))
YouTubeでのライブ中継、アーカイブのみ
>>http://www.youtube.com/user/acacaomori
日時:5月3日(日)14:30-15:30
会場:
対象:どなたでも
参加料等:無料

■鑑賞とワークショップ「織り紙ファブリック!」
展覧会を鑑賞してから、紙テープで織物の原理でタペストリーのような平面作品を作ります。自宅から持ってくる色々な素材も織り込んで、オリジナルの作品に仕上げましょう。(教育普及担当:金子由紀子(ACAC主任学芸員))
持ち物|作品に織り込みたいもの2個以上(古い布や織り込めそうなものなら何でも)
日時:5月16日(土)13:30-17:00
会場:創作棟ワークショップスタジオ
対象:子どもから大人まで
参加料等:無料、要申込(申込締切:5月10日(日)、定員15名)

■遠藤薫トーク「銃声・閃光・落下傘」
工芸の本質に迫ろうとする遠藤薫の、現在進行中であるプロジェクト「47都道府県の”銀座”を巡る旅」の出来事を話します。その後、遠藤一行は青森の花火を観に行くようです。
日時:6月6日(土)15:30-16:30
会場:展示棟ラウンジ
対象:どなたでも
参加料等:無料、要申込(申込締切:5月31日(日)、定員20名)

■碓井ゆいトーク
個人の視点を通して社会や女性として生きることを考えている碓井ゆいが、今回青森でリサーチを行った、地方における近代化や洋学の受容、女子教育、こぎん刺しなどについて、ゲストを交えながら、アーティストが感じたこと、考えたことについて話します。
日時:6月21日(日)14:30-16:00
会場:展示棟ラウンジ
対象:どなたでも
参加料等:無料、要申込(申込締切:6月19日(金)、定員20名)

■【延期】AIRS企画 vol.6「『行為の記録』にみる多様性と相違性」
当イベントは延期になりました。今後の予定については当館ホームページ、Facebook、Twitter等でお知らせいたします。
美術家・山城大督による映像シリーズ「行為の記録」の上映の後、人間の行為を通した多様性と相違のあり方について、作家をゲストに迎え、会場のみなさんで車座トークを行います。(上映作品|「行為の記録」より《佐藤初女|2014年9月30日》(2014年)ほか全4作品)
ゲスト|山城大督 YAMASHIRO Daisuke
1983年大阪生まれ。美術家、映像ディレクター、ドキュメント・コーディネーター。映像メディアを用い、その場でしか体験できない「時間」を作品として展開。2006年よりアートコレクティブ Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)を結成し、市民参加型プロジェクトを全国各地の美術館、芸術祭で発表。
※AIRSとは
ACACのAIR事業をサポートするボランティア組織。アーティストの制作補助の他、展覧会やシンポジウムなどの自主企画をこれまでに6回企画。
日時:6月13日(土)14:00-16:00→延期
会場:AOMORI STARTUP CENTER(青森市新町一丁目2-18 青森商工会議所会館1F)
対象:どなたでも
参加料等:無料、申込不要(定員50名)

■【延期】林介文レクチャー「Nii nami (Here we are)」
当イベントは延期になりました。今後の予定については当館ホームページ、Facebook、Twitter等でお知らせいたします。
台湾原住民の太魯閣族にルーツを持つリン・ジェ―ウェン(林介文)。伝統的な織物を作る女性たちのことを取材し、映像作家であるトマソ・ムッツィ(Tommaso Muzzi)と共にドキュメンタリー映画「Nii nami」の製作に取り組んでいます。織物を通して見えてくる歴史や伝統の継承についてお話しします。(中日逐次通訳あり)
※やむを得ず変更(延期・中止など)する場合があります。その場合はこちらのページ及びSNSでお知らせいたします。
日時:4月12日(日)14:30-16:00→延期(アーティスト来日時期未定のため)
会場:展示棟ラウンジ
対象:どなたでも
参加料等:無料
ホームページ
http://www.acac-aomori.jp/air/2020-1/
会場住所
〒030-0134
青森県青森市合子沢字山崎152-6
交通案内
「国際芸術センター青森」にバスでおいでになる場合は、JRバスまたは青森市営バスの「青森公立大学」または「モヤヒルズ」行をご利用ください。
運賃は、青森市中心部から大体500円前後です。

○ JR青森駅から JRバス または 青森市営バスにて 約40分
「モヤヒルズ、青森公立大学行」乗車 「青森公立大学」下車

○ 東北自動車道 青森中央I.Cから 約5km

○ 青森空港から タクシーで約20分
ホームページ
https://www.acac-aomori.jp/
青森県青森市合子沢字山崎152-6
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