タイトル等
ティム・ヘミングトン “Elsewhere”Tim Hemington "Elsewhere"
会場
ヒノギャラリー
会期
2020-06-15~2020-06-27
*緊急事態宣言を受け中断しておりました本展を、6月15日(月)より2週間開催いたします。ご来廊時はマスク着用の上お越しくださいますよう、ご協力をお願いいたします。尚、今後の状況によっては開催期間や開廊時間が変更になる場合がございますので、あらかじめご了承くださいませ。
概要
ヒノギャラリーでは2020年6月15日(月)~6月27日(土)まで「ティム・ヘミングトン “Elsewhere”」を開催いたします。

今回発表するシリーズ “Elsewhere” は、ヘミングトンの制作において常に興味の対象にある相対する二項の「はざま」へのアプローチから生まれた作品といえるかもしれません。
作家が絶えず持ち続けるこの領域への興味は、手法は異なりますが、前回2017年の弊廊での個展で発表した “Paradox” シリーズからもうかがうことができます。偶然と必然、作為と無作為、混沌と秩序、それら二極構造を意識し生成されたのが “Paradox” シリーズですが、その境界にさらに踏み込み、より曖昧な領域への働きかけによってもたらされたのが今回の “Elsewhere” シリーズです。

ヘミングトンがアプローチする「はざま」には、絵画についていえば抽象と具象、イリュージョンと実在性、そして、より俯瞰的に捉えるならば、近年身近な体験を通し作家の中でより意識的になった記憶や時間、存在といった概念も含まれます。それらの境界は非常に不確かなもので、しかし、その掴みとれない原理のなかにこそ私たちは生き、生かされているということをヘミングトンの作品は訴えかけます。

本展の主となる作品は、メインのキャンバスを壁面に、それに付随するパネルを床に配置し、薄めの油彩を浸した刷毛を固定位置から振りかざし、その重なりによってつくられたもの、一方で、溶剤によって背景の色を融解させながらつくられたものがあり、展示の際も制作時と同様に2点一対で設置されます。浮かび上がるしぶきの蓄積は記憶や時間の一過性と持続性、その両方を示唆し、モノクロームで構成された画面からは、陰と陽という不離一体の関係を見る者に印象づけ、二項間にある定義し得ない領域の視覚化を試みています。
また、ヒューマンスケールに基づいたパネルは、そのフォルムからも壁のキャンバスはドアを、フロアパネルはドアステップを想起させるつくりになっており、身体に作用することから、見る者をほかのどこか(Elsewhere)へと誘う扉、「はざま」として捉えることができます。このとき主体として自立した絵画は一転、客体に変わり、展示はたちまちインスタレーションへと転化します。

ヒノギャラリーでは3年振りとなるヘミングトンの個展。個として、また空間全体として作品をご覧いただいたとき、作家が探り当てようと試みる「はざま」を体験いただけるかもしれません。是非ご高覧くださいませ。
ホームページ
http://www.hinogallery.com/2020/2277/
会場住所
〒104-0042
東京都中央区入船2-4-3マスダビル1F
交通案内
●JR線・地下鉄日比谷線「八丁堀」A2番出口より徒歩5分
●地下鉄有楽町線「新富町」7番出口より徒歩5分
ホームページ
http://www.hinogallery.com/
東京都中央区入船2-4-3マスダビル1F
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