近くて遠い景色。
毎日観ている隣の屋根の景色。いつもハトが2、3羽止まって鳴いている。
そこに私が行くことは多分ないけれど彼らの会話を想像してみる。
野菜の種を土に埋めて水をやったり雑草を抜いたり。
葉が伸びて収穫する日に根っこの長さに驚く。
土の中での出来事は知ることができない。 想像してわくわくする。
木版画というちょっと手間のかかる技法。
色ごとに版を分ける。下絵を反転させて、版木に写す。
丸刀や三角刀、切り出し刀などを使い分けて少しずつ彫り進めていく。
絵の具をのせて和紙に摺りとる。
木を媒体とすることで、そこには私ともう一つなにか力が加わる感覚があり、想像しきれない色や景色が現れる。
毎回毎回、試行錯誤で掴みきれないけれど常に発見をくれるのでやめられない。