インターネットが一般に普及し始めた1990年代から、いち早くインターネットそのものを素材として扱い、ユーモアのある切り口と新しい視点を備えた作品でインターネットアート、メディアアートを軸足に、アートの領域を拡張してきたエキソニモ。エキソニモは、現在ニューヨークを拠点として活動する千房けん輔と赤岩やえによる日本のアート・ユニットで、デジタルとアナログ、ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら、実験的なプロジェクトを数多く手がけてきました。本展では、24年間に及ぶその多彩な活動を、初期のインターネットアートから本展で初公開される新作《UN-DEAD-LINK 2020》を含む近年の大型インスタレーションまでの作品群によって構成し、インターネット上の会場と美術館の展覧会会場を連動させ、エキソニモの全活動の軌跡に迫ります。
新作のタイトルでもある「UN-DEAD-LINKアン・デッド・リンク」には、インターネット上で接続できなくなった、リンク先が存在しない「デッド・リンク DEAD-LINK」の作品を再考し、「アン・デッド・リンク UN-DEAD-LINK」として、アクセス可能にするという意味がこめられています。
新型コロナ禍によって、世界中の景色が一変し、人間同士の物理的な距離をだれもが意識せざるをえない現在、オンラインとリアルを自由に横断してきたエキソニモの活動を考察することで、メディアの歴史のみならず、今日的な表現のあり方、そして人やモノとのつながり方の未来と新たな可能性を探究していきます。