毎年、東京都写真美術館では、写真の起源にフォーカスして美術的のみならず、歴史的にも意義のある展覧会を行っています。
今回の「日本初期写真史 関東編」では、高橋則英氏(日本大学藝術学部 写真学科教授)の監修のもと、三部構成で幕末明治期における関東地方の写真文化を紐解きます。一章では歴史を概観し、欧州における写真発祥から日本への輸入や普及するまでの歴史と写真技術を俯瞰します。二章では制作者に焦点をあて、関東地方を訪れたり、この地を基盤として活動した写真家や写真技術者たちの作品を展覧するとともに、一都六県それぞれで開業した初期の写真家たちも紹介します。最終章ではペリー来航時の肖像写真から建設中の東京駅まで、バラエティに富んだ幕末明治の写真群を一堂に会し、その蓄層する写真文化を鳥瞰する貴重な機会です。