開館60周年を記念する本展覧会では、開館以降に蒐集したコレクションを中心に展示します。
1960年の開館時にはコレクションの核となる部分が成立していましたが、その後もコレクションを充実させる蒐集を続けてきました。開館後に蒐集したコレクションの中で代表的なものには、「木造女神像(もくぞうじょしんぞう)」(重要美術品、平安時代)、雪村周継(せっそんしゅうけい)筆「自画像」(重要文化財、室町時代)、「阿国歌舞伎草紙(おくにかぶきぞうし)」(重要美術品、桃山時代)などがあります。また、大和文華館では早くより美術雑誌『大和文華』を刊行するなど、研究活動に重きを置き、研究の成果を展覧会に反映してきました。こうした研究の成果は、作品蒐集にも反映され、各ジャンルの貴重な作例が集うこととなりました。近年では、開館50周年を記念して、高麗時代末頃の貴重な螺鈿漆器「螺鈿菊唐草文小箱(らでんきくからくさもんこばこ)」や、幕末に大和絵復興に努めた岡田為恭(おかだためちか)の大作「春秋鷹狩茸狩図扉風(しゅんじゅうたかがりきのこがりずびょうぶ)」もコレクションに加わりました。 煌めくコレクションより、大和文華館の60年の歩みをご覧ください。 (担当 宮崎もも)