横浜市民ギャラリーには、約1,300点の所蔵作品があります。これらの作品の多くは、1964年の開館以来、企画展や国際展などの機に収蔵されたものです。特に国際展の折には地元作家を中心に横浜の風景を主題として新作を依頼することがたびたびあったことから、横浜の風景を描いた作品が当館には数多く見られます。今回はその中でも、港や海、水辺を描いた作品を特集します。
横浜港をはじめ、外部との玄関口、物流の拠点である港、古くから絵画や文学で題材となってきた水辺は、人びとの生活に密着する存在、郷愁の対象の両方になり得ます。本展では横浜を中心に港や水辺をうつし描いた油彩、日本画、写真、版画など約50点をご紹介します。
[特別展示]横浜出身の日本画家・牛田雞村(けいそん)の《藁街の夕》《蛮船の泊》(ともに「蟹港二題」より)、《関内》(いずれも1926年作)を久しぶりに3点同時に展示します。日本画を発表した期間の短い作家の貴重な作品です。 絹に描いた繊細な絵肌や開港期の浮世絵等に取材した当時の風物をお楽しみください。