働き終えた道具たちの年に一度の晴れ舞台<暮らしのうつりかわり>の季節がやってまいりました。平成24年度に始まり、今回で8回目を迎えます。相変わらず美術博物館収蔵品のなかで、ガラクタだの粗大ゴミだのと揶揄され、何かと肩身の狭い思いをしているモノたちです。しかし、これだって寄贈していただいた皆さまによって築き上げられた大切な岡崎の文化遺産なのです。
会場には明治、大正から昭和40年代頃までのいろいろな道具を集めました。ひとつひとつの道具には、それを持っていた方や使っていた方の生活や人生、思いがあり、それぞれに歴史的な背景や価値を持っています。今回はこの展覧会がきっかけとなり、あらたに寄贈いただいた品々もたくさんご紹介し、ささやかながら美術博物館から寄贈者の皆さまへ感謝の気持ちをあらわしたいと思います。
展示を見ながら、むかしと今の生活の違いや変化、道具に託されたむかしの人々の生活の知恵をくみ取ってください。同時に私たちの今の暮らしや社会をとらえ直し、新しい「令和」の時代に私たちは何を残せるのか、ふと考えてみる場面にしていただけると幸いです。
※ 公立小学校3年生の社会科「古い道具と昔のくらし」への学習支援を兼ねた展覧会です。平日は学校団体見学があります。