「夢二式」と呼ばれた可憐な女性像や愛らしい子どもの絵で同時代の人々の心をとらえ、また、大正浪漫の時代の空気を伝える詩人画家として今なお多くの人をひきつける竹久夢二(1884-1934)の生誕120年にあたり、その芸術を回顧する展覧会です。画家の筆づかいを直接に伝える肉筆画に焦点を当て、女性・子ども・芝居・風景などを題材とする日本画、油彩画、スケッチ、出版物の原画等を展示します。
夢二は、色や線・言葉の内に存在する制作者の独自性に芸術の価値を置きました。また、一つの土地に長く留まることなく、生涯を漂泊する心で送り、絵や詩文を創作しました。『夢二画集 秋の巻』の序文に記しているように、「旅に絵をかく」ことを自己の生き方とした夢二の芸術世界を、日本各地から集められた名品の数々でご堪能ください。