50歳のときに発表した『かさじぞう』に始まり、『だいくとおにろく』『スーホの白い馬』など今も読み継がれる数多くの絵本を描き、日本で最初に国際アンデルセン賞画家賞を受賞した赤羽末吉。物語の確かな解釈と類まれな演出力、日本や中国の風土や伝統的な文化への深い造詣、格調高く、かつ童心に届く詩情に富んだ絵画表現などを備えた赤羽は、まさに天性の絵本作家といえる人でした。本展では、明治の終わりから平成の初めまでの、日本の絵本が発芽し大きく花開いていった時代に、赤羽がたどった絵本作家への道を、絵本の原画やスケッチ、数々の資料からひも解きます。