この度当館のコレクションより、世界中で知られているシャガールの版画をご紹介いたします。
色彩の魔術師といわれるシャガールは、鮮やかな色を自由自在に使った幻想的な絵画で親しまれています。
シャガールは油彩と同等に版画を多く制作した画家で、本展のサーカスの他に、聖書や物語をテーマとした版画を発表しています。
多くの画家がテーマとして描いた”サーカス”は、シャガールにとっても重要で、長い期間にわたって度々描いています。
サーカスに登場する道化師や踊り子などの姿に、宗教上の人物や、故郷をなくしたシャガール自身を重ねていました。
本版画集(出版された250部のうち当館所蔵品は54番目)は、これまでのシャガールの人生や芸術の集大成ともいわれるものです。
また、今回は「モノクローム」と「カラ―」に分けて展示をしていますので、ぜひ会場で色彩の対比にもご注目ください。
華やかな舞台の「光」と、その裏にある「影」を人生になぞらえ描かれた、シャガールの美しい幻想的な世界をお楽しみください。