2002年1月10日に急逝したグラフィックデザイナー、田中一光は、40年以上にわたって常に日本のグラフィックデザイン界の中心に位置してきました。ポスターやブックデザイン、ロゴマーク、包装紙、パッケージデザインなど、デザインのあらゆる分野で活躍し、日本独自の美的感覚をモダンに表現する手腕は、
国内のみならず海外からも高く評価されています。1930年、奈良に生まれ、京都市立美術専門学校(現在の京都市立芸術大学)で学びました。57年に東京へ移り、63年に独立してからは東京オリンピック、大阪万博などへの参画を経て、西武グループや三宅一生との仕事、そしてフェラガモほか海外とのコラボレーションなど、活動は多岐にわたります。本展は、没後初の本格的回顧展として、京都美専の卒業制作や版画など、未発表作を含む約500点で、活動の全貌を明らかにします。展示デザインは、生前から交友が深かった建築家、安藤忠雄が担当しています。