私のガラスは透明
光を透し 周囲の景色を取り込み
観る人とその心を映しながら
もうひとつの世界へといざないます
光に彩られたガラスのフォルムは
観る人それぞれの意識とともに生まれ
クリスタルのエネルギーを反射します
ムラーノの職人がひとつずつ形にした22,000個のガラスのビーズが
宙から繋がった光のシャワーに包まれ
至福の時間が生まれます
その奥に透明なガラスと人とが出会い
対話する光の場が広がります
ひとつの空間を共有し
ガラスをとおして宙のエネルギーと向き合い
思い思いの言葉を交わします
三嶋りつ惠
三嶋りつ惠がガラス作品を制作するヴェネツィアに訪れた人は誰しも、水の都を燦々と照らす空高い太陽と水面に反射する多彩な光のきらめきを思い出すのではないでしょうか。美しい陽の下で人々は挨拶を交わし合いひとときをわかちあう、そのような光景が日常的に繰り広げられます。三嶋りつ惠はヴェネツィアにおいて光を作品という形にしています。古来より我々は光を通じて目には見えない存在へ思いを馳せてきました。三嶋が生み出す光もまた物質的な現象に止まらず、私たちが心の中に見出す光であり、時を超えて記憶の中でいつまでも輝く光であり、神聖なものへ捧げる感謝や希望の光でもあります。
今展において三嶋は宙から降り注ぐ光の姿や、光を通じて人と人が出会い繋がりあう場を作り上げます。近年美術のみならず建築、ファッション、デザインとジャンルを問わず横断的な活躍が続く三嶋りつ惠のさらなる展開を是非体感ください。 2019年11月 シュウゴアーツ