陽光の降り注ぐ高さ11メートルのテーマホールを舞台に「糸賀英恵展-うつろいのかたち」を開催いたします。
糸賀英恵(いとがはなえ、1978年-)は、横浜に生まれ、現在相模原で制作する気鋭の鍛金(たんきん)作家です。多摩美術大学デザイン科を卒業後、2003年に同大学院を修了。個展やグループ展で活躍を重ね、2011年以降は行動展に出品・受賞しています。
糸賀が表現するのは「うつろう生命に潜む美」といいます。糸賀の考える美は、日本の四季のうつろいや咲いては散る花の生命の流れが根底にあります。使う素材は「銅」。太古の昔から神器として、また暮らしに近しい素材として存在してきた普遍的な素材で、根気強く叩き、また溶接し、材料と対話することによって形づくられます。近年、作家は能楽や人物のフォルムにも触発されながら、自らの抽象形態を追及しており、複雑な形状のうつろいが我々を魅了します。またテーマホールは時間によって刻々と光の表情が変化する空間であり、作品も時とともに様相を変えていきます。17点の作品によって立ち現れる糸賀英恵の作品世界をご堪能ください。