美濃加茂市民ミュージアムでは、作品を収蔵するこの地域ゆかりの作家の特集展示を開催してきました。このたびは、宮城県出身の陶芸家後藤秀樹(ごとう ひでき、1973年~)を紹介します。
後藤は現在、多治見市笠原町を拠点に活動している陶芸家です。多治見工業高等学校専攻科で陶芸を学び、修了後は公募展への出品、個展やグループ展での発表に意欲的に取り組み、近年は当館において陶芸の制作指導にも力を注いでいます。
作家は作陶に向かうとき、土に石を掛けて焼くという陶芸の原点に思いを馳せながら、土や石などの様々な素材との出会いを大切にして制作に取り組んでいます。 近年、起伏に富む土の造形と変化に満ちた志野の肌合いが特徴的な≪志野 海神(わたつみ)≫と題した陶芸の制作を続けています。 その作品群は土の気質に寄り沿うことで生まれる素朴な味わいを保ち、海や雪など自然の景物をさまざまに想い起こさせるような豊かな表情を讃えています。
この展覧会では、当館の所蔵品1点を含む≪志野 海神≫の作品群によって空間を構成するインスタレーションを発表します。