子どもをテーマにしたコーナー展示によって、ブリヂストン美術館が所蔵する作品の新たな魅力を
感じていただきたいと思います。この美術館には、絵画や彫刻、版画に描かれた子どもたちがこんなにたくさんいます。その子どもたちを描き出した美術家を眺めてみると、思いがけない組み合わせになることが分かるでしょう。いわば、時代と地域の違いを越えて、環境や資質の異なる美術家たちが、この子どもという題材に真摯に取り組んでいたことが見てとれるのです。子どもという題材の魅力を最大限に生かそうとした画家もいれば、子どもを描きながら自分の心情を素直に表すことに熱中した画家もいました。作品制作の試行錯誤のために子どもを題材にした画家もいました。
子どもという視点を軸にしながら、当館のコレクションの一つの側面が見えてくることを願って
います。