ひとは皆、この地球の上で生きています。私たちも毎日をここで送っています。そして、作品は皆、この地球の上で生み出されています。それは、アーティストがこの世界をどのように見ているかという世界観や、アーティストと世界の関わりを表しています。
地面に足跡を残す、捨てられたプラスチックを拾う、石をそのまま並べる――1960年代から彫刻に取り組んだアーティストたちは、これまでの素材や技法にとらわれることなく、自らの体験と実感から引き出した表現を求めて行きました。そこでは、より身近な日常の素材や、生活上の体験が芸術表現へと結びついていきます。このような新しい作品のあり方は、我々の日常生活や日々の体験と現代美術の世界の架け橋となってくれるでしょう。
東京都現代美術館では、これまでに常設展示、子供や学校のためのプログラム・シードプランなどを通じて様々な現代美術へのアプローチを提案してきました。この「ミュージアム・スクール 地球の上で」展は、現代美術をより身近に感じ、楽しんでもらうような現代美術入門を目指した展覧会です。鑑賞のヒントになるリーフレットをはじめ、作品や作家世界との出会いの機会となるさまざまな関連プログラムも展開していきます。
「わからない」とか「むずかしい」とか言わずに、まず訪れてみてください。そこにあるのは、日々私たちを取り囲む素材であり、日常の営みを出発点とした表現なのです。