明治から大正にかけて日本の第一世代の建築家として活躍した辰野金吾(1854~1919)が没して今年で100年を迎えます。
辰野が設計した東京駅の中で活動する東京ステーションギャラリーでは、これを機に美術を切り口に辰野の事績を振り返る特別小企画展を開催します。幕末の唐津に生まれ、幼いころから勉強熱心だった辰野は、苦学の末、政府が設立した大学を首席で卒業し、3年間の英国官費留学のチャンスを得ます。帰国後は教育者、在野の建築家として活躍し、日本の建築界の近代化に大きく貢献。
重要文化財に登録された代表作の日本銀行本店や東京駅のほか、裁判所、学校、住宅など、その生涯でさまざまな建築を手がけました。
本展は辰野が留学時代に出会った洋画家・松岡壽(ひさし)(1862~1944)との関係に着目し、学生時代の資料や東京駅の図面、松岡による絵画など約70点を3章に分けて紹介します。