栗原幸彦は、昭和26年(1951年)静岡県浜松市中区北寺島町に生まれました。多摩美術大学日本画科を卒業後、松尾敏男に師事し、院展を中心に数多くの公募展に作品を発表しました。昭和55年(1980年) 、「幽寂」が第2回中日展中日大賞を受賞、昭和60年(1985年)、「朗」で浜松私のイメージ展大賞を受賞するなど数多くの業績を上げていきます。しかしその後作家は、公募展を離れ、あえて無所属という困難な道を探り始めます。そして、豊かな自然に囲まれた浜松市北区滝沢町にアトリエを構え、自ら飼育している動物達の愛らしい姿や四季折々の風景をモチーフに数多くの作品を創りあげています。栗原は、膨大なデッサンを繰り返し描くうちに、対象の本質を把握し、日本画の新境地を切り開きました。
本展では、作家の初期の作品から今日に至るまで優品約30点を展示し作家の画業を振り返ります。ぜひこの機会に、地元・浜松を代表する日本画家の真摯な作品に接していただければ幸いです。