美術の授業で木版画を作ったことがある方は多いでしょう。下絵を描き、それを板に写して彫刻刀で版を作り、インクを置いて紙に刷る単色刷りの木版画はもっとも身近な版画技法の一つです。しかし木版画以外の様々な版画がどのように作られているかを知る機会はあまり多くありません。
本展では、横須賀美術館所蔵作品と他館からの借用作品により版画の技法をご紹介します。肉筆画に対する複製という位置づけではなく、版画特有の制作過程である彫り(版製作)と摺り(印刷)に注目することで、版画表現の豊かさと多様性を改めてご覧頂きます。また、展覧会にあわせて関連事業を開催し、版画を「見る、知る、学ぶ、作る」機会を提供することで、観覧者の理解を深めたいと考えます。