清宮質文(せいみや なおぶみ、1917-1991)は昭和期に活躍した芸術家です。画家・清宮彬の長男であり、東京美術学校で油彩を学んだ後、30代後半から木版画の制作に取り組みました。
版画はもともとは複製の技術であることから、複数性を持つことを特徴とします。
しかしながら清宮は、同じ版木を用いながらも異なる摺りを行ったり、あるいは一つの版につき数枚しか摺らなかったりするなど、版画の持つ、絵筆では表せない美しさ・面白さを追求し、制作を行いました。
県内初の清宮質文展である本展は、詩情にあふれた清宮の作品を紹介するとともに、木版画が有する可能性を広く発信するものです。